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株式会社Xpotential

イネーブルメントの最前線。 事業の強み、組織の魅力、求める人物像、今後の方向性

「イネーブルメント」や「セールスイネーブルメント」という言葉を目にする機会が増えています。日本では2010年代に使われ始め、2020年をすぎたあたりから一般的に普及してきたと言われています。関連するコンサルティングサービスを提供する会社は複数ありますが、今回はそのうちの一社である株式会社Xpotentialの下村社長が登場します。Xpotential社とディプコアの対談Vol.2では、事業や会社の強み、求める人材像、今後の方向性などについて下村社長に語っていただきました。

イネーブルメントの最前線。
事業の強み、組織の魅力、求める人物像、今後の方向性
下村 諒

下村 諒

株式会社Xpotential 代表取締役社長

横浜国立大学卒業後、株式会社キーエンスに入社。セールスを経験した後、本社販売促進グループに配属される。その後転職し、特殊冷凍技術のスタートアップ、デイブレイク株式会社で取締役COOに就任。食材にダメージを与えることなく効率的に冷やすフリーザーを開発し、メーカー事業をゼロから立ち上げたうえでシェアトップクラスのメーカーに育てる。2025年2月より現職。

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水野 歩

水野 歩

株式会社ディプコア 代表取締役CEO

法人営業としてキャリアをスタート。神戸支社長・中国の現地法人副社長・本社営業部長などを歴任し、社長賞・社長賞特別賞・ベストマネージャー賞などを受賞。人材紹介会社に転籍後、日系スタートアップやグローバル日系企業に特化した人材紹介事業を立ち上げ。総粗利実績は500,000,000円以上で、個人で年間売上1位・年間決定数1位を獲得。2017年に株式会社ディプコアを設立。中小企業診断士、事業承継士。

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ご自身について

水野 :本日はどうぞよろしくお願いいたします。まず最初に、自己紹介をいただいてもよろしいでしょうか。

 


下村 :大学を卒業してキーエンスという会社に入社し、営業を経験した後に本社の販売促進グループで国内と海外向けのマーケティングを担当していました。


具体的に取り組んでいたことはマーケティング業務を通じた営業生産性の最大化です。営業のアウトバウンドにおける行動よりも売上期待値が高いリードを獲得することが私の部署のマーケティングの仕事でした。併せて営業の行動データを分析しながら、「このリードはちょっと期待値が低い」とか「ここは濃いニーズだから積極的に行きましょう」という具合に、マーケティングだけではなく、営業活動の効率化支援も行っておりました。


その後、特殊冷凍と呼ばれるジャンルのスタートアップに転職しました。2020年に執行役員COOとしてジョインし、その後、取締役COOとして事業の立ち上げや全体の統括を行い、会社と事業を伸ばしていきました。その後、個人でコンサルティングのようなことをしていたのですが、ご縁があってお声がけをいただき、2025年2月にXpotentialに参画したという流れになります。



水野 :参画されるまでは「イネーブルメント」という言葉は身近なものだったのでしょうか?



下村 :私は営業をしていたので、言葉は知っていました。ただ、営業が得意な人はみなさん同じ気持ちなのかもしれないのですが、イネーブルメントのことはあまり好きではなかったんです。なぜかというと、「実際に売ってない人が言っていることが本当に正しいのか?」という疑念があったからです。そういう意味で、言葉は知っていたものの、あまり興味がなかったというのが本音になります。



水野 :なるほど。では、そんな下村社長がいまどのように感じていらっしゃるのかを、じっくりお聞きしていきたいと思います。



Xpotentialの特徴と強み

水野 :改めて、御社がどのような事業を行っているのかを教えていただけますか。


 

下村 :お客様の営業組織の生産性を最大化するための仕組み構築や行動変容を支援している会社です。数多くの会社をご支援して分かってきたことは、「営業組織」「売り先」「売り物」「売り方」によって、必要な施策や効果表出の仕方が異なるということです。売上利益の構成要素には、様々な物事が複合的に絡んでおり、単純ではないと認識しております。そこで我々は営業組織への理解力はもちろんのこと、構造化や抽象化といったコンサルティングの力とデータサイエンスの力を掛け合わせ、売上利益を最大化するためのキーレバーを分析し可視化するところから支援しています。

 

また、最近ではAI×営業活動の効率化や生産性向上というテーマが増えてきております。営業活動はブラックボックスな要素も多く、要件定義の難易度が高いことから、本格的な導入の前の小規模な実験や検証プロセスで止まってしまうケースが多いようです。そのため、営業組織への理解度と構造化力を武器としている私たちのスタッフがサポートし、AIによる生産性アップを目指していくというプロジェクトも増えています。



水野 :どのようなスタッフの方がいらっしゃるのでしょうか?



下村 :結構バラエティが豊かだと思っていまして。まず、ボードメンバーだと、会長の山下を筆頭に、事業会社のセールスイネーブルメント組織の中でその会社の営業部門を支援してきたスタッフがいます。

 

もうひとつがデータサイエンスに詳しいスタッフです。特に「ブラックボックスな領域のデータサイエンス」のケイパビリティがあるところが、弊社のひとつの強みだと認識しております。営業成果は活動の「量」×「質」で示せるものかと思いますが、「量」のサイエンスについては多くの企業ですでに実施をしているケースが多く、「量」の領域だけではなく、「質」の領域でもデータサイエンスの力を使っていくことで生産性を高めるプロジェクトが弊社には多くございます。


もう少し具体的にお話をすると、活動KPIや電話件数といった明確にわかる数字を見ながら、改善活動を行うのが営業現場にて取り組みやすいデータ活用です。一方で私たちは、この明確な数字の科学に加えて、営業スキルという定性的で曖昧なものからも意味を見出し、改善活動に活かして、利益につなげていくということをサービスとして提供しております。

 

セールスイネーブルメントとデータサイエンスのスタッフが事業のコアになっていると考えていますが、そこに営業が強いと言われる企業での営業経験と外資系のコンサルティング会社での経験を併せ持ったスタッフなどが加わっています。そういう意味では、多様なケイパビリティを持ったスタッフが在籍していると思いますね。


 

水野 :ありがとうございます。顧客に対してはイネーブルメントのコンサルティングを提供するのだと思いますが、具体的にはどのようなことをするのでしょうか?



下村 :そうですね。ひとつ事例を紹介すると、活動ボリュームを大きく増やしたものの受注件数が変わらず、むしろ受注率が下がってしまい、効率が悪化したという企業がありました。そして、「やり方が間違っているのでしょうか?」と相談をいただいたんです。


私たちが最初に行ったのは、その企業の全国の支店データをもらうことです。それをもとにさまざまな数字を見ていったところ、エリア特性が強く、エリアに応じて打ち手を変えた方が良いという仮説になりました。


加えて、その企業はいろんな属性のお客様に商材を展開していたので、商材属性とターゲットとしているお客様のペルソナがちゃんと紐づいているのかを確認していきました。すると、そこまで細かく言語化や定義ができていないことがわかったんです。


「私たちがまずは現場の営業の方にインタビューして状況を把握します」ということで、全国の支店をまわり、さまざまなパフォーマンスの方にお話を聞いていきました。インタビューの結果をもとにスキルを分析すると、明確な差分が出てきたんです。そこで、その差分を元に商談データを取っていくと、エリアによって必要な営業スキルに差があるということがデータで証明することができました。


この有意差分を言語化し、構造化して、提供するというところまでがコンサルティングの最初のステップです。次のステップは、得られた学びを活かして現場のトレーニングにつなげていきましょうというもので、いま詳細を詰めているところになります。



水野 :同じ会社なのにエリアによってそんなに明確な差が出るものなのですね。



下村 :そうですね。たとえば、「都市部と地方部で必要なスキルは異なるのか?」というテーマの分析にあたり、売上と相関するスキルの分析をした際に、エリアによって「潜在ニーズの喚起」スキルと「競合差別化」スキルと売上の相関度合いが異なるというデータが出てきたことがありました。この内容はお客様としても非常に納得感があったようです。これを正とすると、エリア特性によって商談で訴求する内容も変わりますから、全社で画一的なスキルアップ施策を行ったとしても、そのエリアに適した訴求をできていなければ受注にはつながりにくい。であれば、各支店の状況を踏まえて必要なスキルを抽出し、それを磨くためのトレーニングを行う方が、受注につながる期待値が高いはずです。


営業部長やマネージャーの方だと複数のエリアを同時に統括しているケースが多いので、個別事情までを考慮した育成パターンの洗い出しや現場への落とし込みをすることが時間的に難しい。そこで、私たちが支援をするというわけです。



水野 :必要なスキルに対するレベルを測るためのスコアリングはどうするのでしょうか?



下村 :その定義づけから私たちがやります。たとえば、「潜在ニーズを喚起するために、まずはXXXXXをしっかりとやりましょう。例として自社の歴史とサービスの特徴をすべて説明でき、XXXXXまでできたときに〇〇点とします。そして、特にこの支店は営業経験が浅い方が多いので、まずは△△点を目指しましょう」といってトレーニングをしていきます。


トレーニングを通じて△△点を取れた人が増え、その結果、受注数が増えていけば、ここで初めて活動量を最大化するというのが踏むべきステップだと思います。



水野 :確かに営業部長やマネージャーが「こうかもしれない」と仮説を持っていたとしても、裏付けがないので実行や徹底が難しいケースがありますよね。その点、外部の専門家として「実際はこうですよ」とデータやレポートを出してくれて、活動改善の伴走をしてもらえるのは心強いですね。



下村 :最近よく使うたとえ話で、野球のピッチャーの話があるんです。以前は良いピッチャーの条件を明確に示す難易度は高かったと思います。球速や制球力、変化球などはある程度定量的に示すことは可能ですが、定性的な議論も多かったように感じています。


いまは技術も進歩しており、投げたボールを計測して、回転数がどれくらいとか、回転軸がどうなっているとか、変化量がどうだとか、そういったデータを見ながら、ピッチャーに示唆を出す専門家がいたりすると思います。その方は必ずしも自身が優れたピッチャーではないのですが、データの分析・活用のプロとして、ピッチャーの成長を支援するアナリストだったりします。


それと似たようなことを、私たちは営業の世界でやっているんだと考えています。営業について理解のある私たちが、客観的な目線でデータを分析し、そこで得られた学びをお客様への示唆として提供する。ときには、営業部長やマネージャーのサポーター役を担ったり、トレーニングの当事者として営業組織の改善も支援していく。そういうイメージですね。



水野 :自社のことを深く支援してもらえることに加えて、現在のトレンドや他社の状況についても情報をお持ちだと思うので、企業からすれば心強いパートナーですね。



下村 :そう言っていただけると嬉しいですね。私はもともとキーエンスという会社で営業をしていましたが、その場合ひとつのやり方しか知らないわけなんです。しかし、世の中にはたくさんの企業があり、さまざまな商材があります。金額やリードタイムなどいろんな変数があり、それらによって営業組織に求められるイネーブルメントのあり方も異なるはずだと思っています。


そう考えると、専門性を持って横串で「営業を良くするにはどうすればいいか」の方法論を持っていることは、一定の介在価値になるのではないかと考えています。



▶︎ 競合よりも協業をテーマに、自分たちの強みを磨いていく



水野 :御社の特徴については理解ができました。次は、競合他社と比較した際の強みについて教えて下さい。



下村 :私は弊社のサービスは他社と競合するのではなく、協業関係にあると捉えています。イネーブルメントに関するサービスも細かく分類することができるので、顧客の成長を第一に考えたときには、それぞれの強みを組み合わせながら協業していった方が成果創出に繋がりやすい印象があります。


たとえば、Xpotentialは、営業組織のスキル上の課題がどこにあるのかを明確にし、それがどのように売上や利益と紐づいているのかを明らかにし、それを元に成果に繋げることに強みがあります。同業他社のなかには、型として営業現場に落とし込むことが得意なところもありますし、伴走支援に力を入れているところもあります。


私たちも伴走支援をすることがありますが、そこに強くこだわっているわけではありません。そのため、伴走支援を得意としている会社さんがあれば一緒にやりたいと思っています。また、固有のツールを持っているわけではないので、ベンダーさんと連携してお客様の商談解析の精度を高めていくといったことにもチャレンジしたいと考えています。


Xpotentialの自己紹介をするときは「データサイエンスと営業組織の支援力を掛け合わせて、お客様の売上・利益の課題を解決する会社です」と言っています。この軸をブラさずに、自分たちの介在価値を高めていきたいというのが私の考えです。



Xpotentialの職場の魅力や求める人物像

水野 :御社での仕事のやり甲斐についてお聞きしたいです。



下村 :ひとつは難題に立ち向かっていく面白さでしょうか。最近はエンタープライズのお客様が増えているのですが、大手企業で活躍されている優秀な方々でも解決できない課題に対して、それを解きに行くのが非常に刺激的です。「どうやってやればいいんだろう?」と頭を悩ませることもありますが、問題を少しずつ解きほぐし、整理していく面白さがあると思っています。


もうひとつは、個々の知見を持ち寄ることで生まれるシナジーを体感できることです。イネーブルメントの知見がある、データサイエンスに強い、外資系コンサルティング会社でさまざまなプロジェクトを経験している、など社内には多様なプロフェッショナルがいます。私もマーケティングに強みを持っているので、各自の強みを掛け合わせて、チームでお客様の課題に立ち向かっていくことにも魅力を感じています。



水野 :ちなみに、御社の社員の皆様は、なぜこの仕事を志望されたのでしょうか?



下村 :営業出身者がほとんどなのですが、共通しているのは「売れる人と売れない人の差はなぜ生まれるのだろう?」とか「再現性を出すにはどうすればいいだろう?」という問いを持っていて、その答えに近づくために探求していきたいというケースが多いです。自分は売れていたけど、そのノウハウを育成に活かし切れていないときとか、スッキリしないので解消したいとか。


ひとつ例を出すと、もともと他の企業でイネーブラーのような役割を担っていた方がいたんです。いろんな施策を出して、現場での推進もしたけれど、組織や事業にどこまで貢献できたのかがわからなかったそうです。そこで、貢献度がちゃんと測れるやり方を探していたときにXpotentialのことを知ったということでした。



水野 :ご自身のノウハウを育成に活かし切れなかった場合でも、御社で活躍することができるとしたら、それはなぜなのでしょうか?



下村 :『イネーブラーズイネーブルメントプログラム』という独自のプログラムがあるからです。これは、イネーブラーをイネーブルメントするためのプログラムで、抽象化や構造化、言語化のスキルを磨くものです。


営業が使う脳の筋肉と、コンサルが使う脳の筋肉は、まったく異なると思っております。そのため、双方をつなぎ、うまくスイッチできるように開発されたプログラムなのですが、これを受けることで、以前は自分のノウハウをうまく言語化できなかったとしても、徐々にできるようになっていくというものです。



▶︎ 求める人物像とその理由



水野 :いまはどのような職種で採用を行っているのでしょうか?



下村 :営業とプロジェクトマネージャーですね。営業は新規のお客様の相談窓口で、プロジェクトマネージャーは案件全体の管理が役割になります。いざ案件が動き出すとお客様はどうしてもプロジェクトマネージャーに相談をしますが、そこから新たな案件が生まれたりもします。現場はプロジェクトマネージャーに案件管理と新規案件の対応が重複している部分があるので、特に営業を増員してバランスを良くしたいと考えています。



水野 :営業を採用する際、ターゲット人材のペルソナとしてどういうものが挙げられるでしょうか?



下村 :営業のキャリアパスを考えた時に、いろんなパターンがあると思っています。突き詰めて行って「営業の神様を目指す」というタイプの方や、組織を率いてひとりでは出せない大きな成果を狙うタイプの方。それにコンサルタントやマーケターへ転身する方もいれば、スタートアップで広く事業全体をみるという方もいるでしょう。


いろんな選択肢があるなかで、個としてとにかく営業を極めたいタイプの方は、あまりフィットしないかもしれません。裏を返せば、それ以外のタイプの方は一定ご活躍いただけると思っています。売上・利益を伸ばすというテーマに組織として向き合い、その環境でキャリアを積みたいというタイプであれば、基本的に歓迎です。


向いている/向いていないという観点だと、仕事で使う筋肉が違うことを受け入れ、これまでは使ってこなかった部分を鍛えることに対して前向きになれるかどうかがポイントです。これまでのやり方を貫けば活躍できるわけではないので、自分に足りない部分を客観的に理解し、そこを埋める努力ができる方は向いていると思います。


仕事でも、いろんな業種のさまざまな課題に向き合うことになります。その都度学習し、顧客が置かれている状況に自分を当てはめていくことで、より高い解像度で課題を捉えることができます。


私もそうだったのですが、営業組織においては自分の成功体験を他社に移植しようとすると、うまくいかないことが多いです。自身の経験も大事ですが、それを一度横に置いて、そのとき向き合っている課題に対して最善の手が打てるように、毎回自分をリセットできるかがポイントになると思います。



水野 :いまのお話だと、対象となる方のレンジが広いように感じます。たとえば、営業経験者だとしても、達成率が低すぎるとNGなど、そういうラインはあるのでしょうか?



下村 :特にないです。私たちが求めるタイプの方であれば、極端ですがいまの環境で営業として売れていなくても良いと考えています。売るのが得意な人と教えるのが得意な人は別であることが多いので。両方を併せ持った方となると、出現率が低いと思いますし、採用しようとしたときの競争も激しいと思いますので。


仕組みをつくったり、ノウハウを伝えたり、組織を支援することに喜びを感じられる人。他者が活躍することを自分のことのように嬉しく思える人。そういうタイプの人であれば、仮に営業として高い実績を残していなかったとしても、全然構わないです。


私自身もいまでこそこんなことを言っていますが、営業をしていた社会人1年目のころはそこまで売れていませんでした。でも、「なぜ売れてないんだろう?」「売れてる人と何が違うんだろう?」と自分なりに考えて、分析をしていました。セルフイネーブルメントみたいなことをやっていたんだと思うのですが、そうすることによって少し時間はかかったものの売れるようになりました。


いまは成果が出ていなくて、自己分析の過程という方もいらっしゃるかもしれません。仮説を持って、トライアンドエラーを繰り返しているのであれば、イネーブルメントの適性があると思いますね。



水野 :営業出身者以外は対象外なのでしょうか?



下村 :そうですね。営業経験がないと厳しいというのが本音です。というのも、支援する営業の方と話が合わないケースが多いからです。営業経験を活かしてコンサルのような仕事をするので、成果を出すことを第一に考えた際にお客様とうまく噛み合うかは非常に重要です。そう考えると、成果を出していたかどうかは横に置いたとしても、営業の気持ちがわかること、楽しいことやつらいことに共感できることが大切です。そのため、BtoBやBtoCを問わず、営業を経験していることが基本の条件になります。


唯一の例外としてはコンサル経験者でしょうか。彼らは普段の仕事でさまざまな業界の方と接しています。お客様の現場に入り込んで課題を解決することにも慣れているので、私たちの仕事の進め方とフィットすると考えているためです。



Xpotentialの今後の方向性

水野 :会社の今後の方向性について教えて下さい。



下村 :3つの軸があると考えていて、ひとつはAIです。お客様の営業生産性を上げることが私たちの基本的なテーマなのですが、このテーマを推し進めていくにあたってやっぱりAIが欠かせないと感じることが多いです。そのため、私たちの強みやこれまでに培ってきたことをベースにした上で、それらをどのようにAIと組み合わせ、効率化していくのかがポイントになると思っています。


もうひとつの軸は、貢献度の可視化です。「イネーブルメントって大切なことだと思うけれど、費用対効果はどうなの?」といった相談をいただくことがあります。効果の算出や貢献度の計測に苦労していることが多いので、強みであるデータサイエンスの力を駆使して価値貢献の度合いをちゃんと可視化できるように持っていきたいと考えています。


最後は、新規事業です。お客様のニーズのなかに、「人手が足りないからどうにかしたい」というものがあります。たとえば、こういうニーズに対して私たちが営業代行することで、お客様の営業生産性をさらに高めることができるかもしれません。営業代行はひとつの例えですが、新規事業の立ち上げや、ときにはM&A戦略も視野に入れながら、提供できるソリューションの幅を広げていこうと思っています。



水野 :ミダスグループの一員になったことで、グループ内のシナジーも出てくるのではないかと思います。ミダスグループになったことによるメリットとして実感していることはあるでしょうか?



下村 :多様な人材プールから有用な人的支援が受けられるメリットがあると思いますね。多くのスタートアップ企業がリファーラル採用をメインにしていると思うのですが、価値観が近い人材が集まるメリットの裏に、似た人ばかりになるデメリットもあると思っています。そう考えると、ミダスグループが持つ多様な人材プールは魅力的で、自分たちでは出会えないようなケイパビリティを持つ方と出会えることはとてもメリットだと思います。


多様なソリューションが求められる現代においては、自分たちも多様であるべきだと考えているので、人的支援という観点でグループの強みが活かせるのではないでしょうか。



Xpotentialで得たもの

水野 :最後の質問です。下村社長はイネーブルメントとは異なる領域からXpotentialにジョインされたと思います。イネーブルメントに特化した会社に入社したことで、新しく見えてきたことや感じたことはございますか?



下村 :イネーブルメントで、世の中はもっと良くなると感じました。というのも、お客様は自分たちのことを、思った以上に把握できていないという課題をお持ちのことが多いです。私たちはプロジェクトを通じて、「御社の営業に必要なスキルはこれで、このプロセスにギャップが出ています」とお伝えしています。お客様の状況を言語化し、構造化しているのですが、これだけでも価値を感じて喜んでくださるお客様が多いんです。


なぜかというと、お客様の社内ではなんとなく共通認識になっているものでも、突き詰めて言語化していくと実は認識に相違があったりするためです。相違を埋めるために会話が生まれ、会話を通じて営業組織が強くなることが往々にしてあります。


たとえば、潜在ニーズを喚起する手法がいくつかあるとして、AとBのパターンはみんなが抑えているが、ハイパフォーマーはC、D、E、Fと複数パターンの手法を持っていたりします。これが言語化されていない状態だと、「潜在ニーズの喚起をしているんですけど、なかなか売れなくて」「なんでだろうね」という会話で止まってしまいます。


言語化をすることで、「パターンAを試してみたけどうまくいかなかったので、次はパターンBをやってみます」とか、「こういうケースはパターンCが効果的だったよ」といった会話になるんです。そのため、営業組織の状況を言語化することが、まず最初の価値になっています。


次に、取り組みの状況や結果が数字で出てくる。ここも喜んでいただけるポイントです。どのプロセスを、どういう方法論を使って、どれくらいの数値に持っていけば、売上にヒットする期待値が高いのか。それを数字で出すことができます。


また、納得感の高い数字を提供していくことで行動変容の壁を超えることができます。「クロージングを頑張ろう」とか「受注率をあげよう」という方向性を示すだけでは、なかなか思ったように動き出してくれないのが組織の常かと思います。また、旗の振り方を間違えると逆に意図しない行動になってしまうのも組織の常かと思いますが、クロージングを頑張ろうと言い続けると、新人の方などは本当にクロージングだけを頑張ってしまうことがあり、押し売り感が強くなりすぎることで結果として受注率が下がってしまうこともあり得たりします。


そうならないように、売れるためのプロセスと構造と要素を明らかにし、必要なスキルを定義し、その習熟度を高めていき、その上でクロージングを頑張る。このように正しく整理をして、旗振りをすることで行動変容を促し、間違ったアクションを防ぐというのが重要であり、ここにイネーブルメントの価値があるのだと感じております。そうしていくことでお客様の営業組織が正しく成長していく過程に付き添うことができるんです。


いくつか例を出しましたが、これらはすべて目新しいものではないと思います。でも、営業現場では見落としがちであり、かつ、日々の業務の中では言語化と構造化がやり切れていないケースも多くあると思います。そのため、ちゃんと見えるようにすることで喜んでいただけますし、成長のきっかけにしていただけます。


そういう会社が、まだまだたくさんあると思っています。私たちがもっともっと頑張ることで、より多くのお客様に価値貢献できると思いますし、そうすることでいまよりもハッピーな営業組織が増えると思います。そんな世の中にできるように、頑張っていこうと思います。


 

水野 :わかりました。本日はいろいろなお話を聞かせていただき、ありがとうございました!




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