はじめに
新卒で国内メーカーのソフトウェアエンジニアとしてキャリアをスタートし、海外向け製品のプロジェクト管理や外資系ITベンダーでのプリセールスなど、技術とビジネスの架け橋として豊かなキャリアを築いてきた大森様。
長年、グローバルな環境で「海外の製品を日本へ持ってくる」役割を担ってきましたが、心の奥底には学生時代から抱き続けてきた「日本のスタートアップを世界へ」という情熱がありました。
40代という人生の節目を迎え、理想のタイミングを模索していた中で出会ったのが、エンジニアプラットフォームを展開するファインディです 。今回は、長年勤めた外資系企業から日本のスタートアップへの一歩を踏み出した大森様に、その決断の裏側と現在の挑戦について伺いました。
転職前の状況
簡単にこれまでのキャリアについて教えてください。
新卒で入社したのは国内のメーカーで、ソフトウェアエンジニアとしてキャリアをスタートしました。当時はC++やJavaScriptなどを使って開発していました。それ以外にも、海外と日本をつなぐプログラムマネージャーの立場で仕事をしたり、実際に米国で仕事をしたりもしました。
その後、外資系のITベンダーに転職し、グローバルのPdMやPMM(※)の方々とやり取りをしながら、海外の製品を日本に持ってくるといった業務を担当していました。
(※)PdM・PMM:PdM(プロダクトマネージャー)は「開発や機能(何をつくるか)」を担当する役割。PMM(プロダクトマーケティングマネージャー)は「市場や顧客(どう売るか)」を担当する役割。
自分の中で「クラウドネイティブな技術や製品について改めて学び直したい」という気持ちが出てきたので、同じく外資系のITベンダーに転職しました。その会社では営業と行動を共にし、ソリューションコンサルタントとしてプリセールスからポストセールスまで幅広く担当していました。

順調にキャリアを重ねてこられた印象です。転職を考え始めたきっかけは何だったのでしょうか?
特に転職しようとは考えていなかったというのが正直なところなんです。ただ、昔の話になるのですが、学生のときから「いつかは日本のスタートアップで働きたい。日本から海外に出ていくような、そんなスタートアップで仕事がしてみたい」と考えていました。
そのため、これまでいろんな会社で働いてきましたが、情報収集だけは続けていました。その一環でスカウトサイトにも登録していて、それを見たディプコアの村田さんが声をかけてくださったんです。強いて言えば、それが転職のきっかけだと思います。
ちなみに、「いつかは日本のスタートアップで働きたい」と思っていたのはなぜですか?
大学の研究室の先生が、「ベンチャーやりなさい」とよく言っていた人で、その影響が大きかったのだと思います。今とは違い、「スタートアップ」という言葉が一般的ではなかった時代でしたが、若いうちから責任や裁量を持って仕事をするのも楽しいぞということを先生なりに勧めてくれたのだと思います。
あとは、同じ研究室で仲が良かった友人が、当時では珍しく学生インターンをやっていたんです。彼はネットベンチャー企業を支援する投資会社でインターンをしていて、若く、勢いがあるベンチャー企業のことをいろいろと教えてくれました。
当時の私は、ベンチャーやスタートアップに興味は持っていたものの、そこでがんばれる自信がなくて、まずはソフトウェアエンジニアとしての基礎をしっかり固めたいと思い、新卒では国内メーカーを選んだという経緯になります。
なるほど。外資系ITベンダーでは海外製品を日本に持ってきたということですが、逆に日本発のサービスを世界に届けたいという気持ちがあったのでしょうか?
そうですね。そういう気持ちが自分の中にあったのだと思います。
個人的には、日本のソフトウェア産業がもっと盛り上がって欲しいと思っていて、「世界で通用する製品やサービスが日本からたくさん生まれたらいいな」と漠然と思っていました。
ご自身の中では「いつかはそういう環境でがんばりたい」と考えていたということですね。
はい。40代になり、年齢的なことも考えると、「チャレンジするならここ数年以内だな」という気持ちがありました。そこにタイミング良く村田さんからアプローチをいただいたという感じです。
転職活動について
村田からのアプローチはどのような内容だったか覚えていらっしゃいますか?
最初は固有名詞を伏せた状態で、「こんな会社のこのような仕事に興味はありますか?」というちょっとぼかした内容だったと思います。
中身を見なければ具体的な回答ができないですし、数年以内には魅力的なスタートアップを見つけたい気持ちがあったので、情報収集を目的にお話を聞いてみることにしました。
募集企業がファインディだとわかり、「ここで働くとしたら、自分はどんなバリューが出せるだろうか」と心配になったことを覚えています。それに、「何をやるのか」も非常に気になりました。
ただ、プロセスとしては「一度カジュアルにお話ししましょう」というものだったので、企業との面談に行ってみることにしたんです。
カジュアル面談をやってみて、いかがでしたか?
結論から言うと、私にとってすごく良い会社だと感じました。というのも、ファインディの経営理念とビジョンが個人的にドンピシャだったからです。
『つくる人がもっとかがやけば、世界はきっと豊かになる』という経営理念と、『挑戦するエンジニアのプラットフォームをつくる』というビジョンは、ソフトウェア産業を盛り上げ、いずれは日本発のサービスを世界に発信していきたいという個人的な想いと重なるものがありました。

代表の山田や執行役員の西澤、それにCPOの稲葉と面談をさせてもらったのですが、話をする中で彼らが理念やビジョンに真摯に向き合っている感じがすごく伝わってきました。会社が大切にしている考え方を、経営陣がしっかりと自分の言葉で語っていて、そういう部分にも魅力を感じました。
経営陣の方々が最初にカジュアル面談に登場するのは珍しい気がします。
これは後から聞いたのですが、ファインディとしても注力していた採用だったようで、どのようなプロセスにするのが良いかをエージェントの村田さんも含めて事前に検討していたようです。
大事な採用なので、会社としても経営陣の考えをしっかりと伝え、候補者側にもちゃんと見極めてもらいたいと考えていたのではないでしょうか。
代表や役員とのカジュアル面談ということでびっくりはしましたが、いまとなってはむしろ良かったと思っています。本気度が伝わっただけでなく、事業企画という仕事への理解も深まり、情報収集が目的だった当初の状態から、「ここで働いてみたい」と志望度が上がりました。
逆に懸念点はなかったのでしょうか?
条件面や働き方については懸念点でした。特に働き方の部分は家族の理解が必要だったんです。というのも、5年以上ずっとフルリモートで仕事をしていたのですが、ファインディでは週4日出社(※)。子どもが小さいこともあり、仕事と家庭を両立できるかは悩んだポイントです。懸念点については、村田さんにも相談しながら検討していきました。
(※)出社日数は職種により異なる。
最終的には、このご縁を逃すと後悔すると思い、入社を決断しました。共感できる経営理念とビジョンがあり、その実現に向けてがんばっている経営陣がいる。そんな会社で働くチャンスに、この後も都合よく出会える保証はないと考えたからです。
現在の状況
ファインディでは、どのような役割を担っているのでしょうか?
エンジニアリング組織のパフォーマンスを最大化する『Findy Team+』というサービスの事業企画として入社しました。事業企画の役割としては、簡単に言ってしまえば遊軍的な立ち位置だと思っています。
事業を拡大するために数字を追う部分については、事業部長や副事業部長が現場としっかり話をしているので、事業をより良くするための仕組みづくりが事業企画の役割です。上司となる西澤とのコミュニケーションを通じて彼がやりたいことを理解し、私の考えをぶつけたり、彼の意向を汲み取ったりしながら動いていくというイメージです。西澤の頭のなかには「新しい事業をどんどんつくっていきたい」という考えがあるので、どうやって具現化していくかという議論もしています。
大きくまとめてしまうと、既存の事業を拡大させるための仕組みづくりと新しい事業を形にするためのプランづくりを並行して進めていくことが私の役割になります。
明確に「これ」と言い切ることが難しいですね。
そうですね。顧客の課題をヒアリングするために営業同行をすることもあるのですが、営業メンバーからは「ところで大森さんって何をやってるんですか?」と聞かれることがありますね(笑)。
個人的には既存事業を成長させたり新しい事業を生み出すために必要なことを自分で見つけて、どんどん実行していく仕事だと思っています。なので、何かしらの課題を見つけて解決できたときはやりがいが得られますし、「やるべきことがまだまだたくさんある」という感じがしています。
『Findy Team+』はまだ若いサービスですし、関わっているメンバーも若手が多いです。それでもどんどん拡大している状態なので、事業的にも、組織的にも、もっと成長できるのではないかと考えています。
過去の経験で役に立っていることはありますか?
身につけてきた知見は役に立っています。たとえば、前職では営業と連携しながら顧客を支援するソリューションコンサルタントとして働いていましたが、顧客に対してオブザーバビリティ(可観測性)という概念をどのように伝えていくかに気を遣っていました。そういう経験がいまの仕事にも活きていると感じています。
入社後のギャップがあれば教えてください。
良い意味でギャップだと感じたのは、思っていたよりも組織の年齢バランスが取れていることです。事前に確認していた企業情報では平均年齢が30代前半で、「若い人が多い」という印象がありました。
実際に入社してみてわかったことは、若くて優秀な社員が多いのは事実ですが、中堅やベテラン、それこそ私と同年代くらいの方や私より年上の方もしっかり活躍しているということです。
若手の方ばかりだとうまく馴染めるか少し不安だったので、私にとっては良い意味でのギャップでした(笑)。
入社前の懸念だった「働き方」についてはいかがでしょうか?
最初は抵抗感がありました。ただ、最終的には「慣れるものだな」というのが正直なところです。いまは週4日出社で残りの1日がリモートワークですが、出社しているときに営業同行や対面での意見交換を行い、リモートのときに調査や検証のタスクを固めるようにしています。出社とリモートでフォーカスする業務をわけて仕事を進めています。
特に入社当初はオフィスでの対面のやり取りを通じて人間関係をつくることができるので、逆に「出社があって良かった」と思うこともあります。相談や議論においても、相手の表情や声色など、チャットのコミュニケーションでは得られなかった情報が手に入るため、むしろスピード感を持ってやり取りができている印象があります。
会社としては、このような “出社だからこそ得られる副産物” を大切にしていると思うので、ここは良い側面なのではないでしょうか。

個人的に工夫しなくちゃいけないと思っているのは、家庭の部分です。まだ子どもが小さいので、妻に負担をかけてしまっていると感じています。リモートワークがあと1日増えればとても助かると思っていますが、この部分は会社とも相談しながら、より良いバランスを模索していきたいと考えています。
「ゆくゆくはこういう仕事に挑戦したい」など、今後の展望についてはどうでしょうか?
明確で具体的なものはまだないのですが、既存事業の成長はもちろん、海外進出をさらに加速させたいと思っています。少し異なる軸では、新しい事業を立ち上げることにも挑戦したいです。
やはり『挑戦するエンジニアのプラットフォームをつくる』というビジョンを掲げている会社に入社したわけですから、私自身もこのビジョンを体現できるように関わっていきたいと考えています。
最後に
いま転職を考えている方やキャリアについて悩んでいる方に、何かメッセージがあればお願いします。
もし、「いつかスタートアップで働いてみたい」と思っている方がいらっしゃれば、ぜひチャレンジしてみることをお勧めしたいです。
私のように、ある程度の年齢になってくると、いろんなことを考えるようになると思います。転職をするにしても、たとえば「こういう役職がいい」とか、「若い頃のような挑戦はもういいかな」とか。
その考えを否定するわけではありませんが、スタートアップに飛び込んで、若くてやる気があって優秀なメンバーと一緒に日々切磋琢磨するのも悪くないと思っています。
また、私の場合は「スタートアップに挑戦するとしても、1年後か2年後くらいかな」と考えていました。ただ、1年後や2年後にその機会が必ず訪れる保証はありません。そのため、やりたいことがあるのなら、その機会を逃さないようにすることが重要だと思います。
村田さんから連絡をいただき、自分に機会が訪れたのはある意味でラッキーだと思っています。でも、いま思えば、普段から「こういうことをしたい」と考え続けていたからこそ、チャンスが訪れたのかな、とも思っています。やりたいことがある場合は、その機会を逃さないように日頃から準備しておくのが良いのではないでしょうか。
(本記事は、2026年3月に実施したインタビュー時点の内容であり、現在とは一部異なる場合があります)



